目覚めよレコードプレーヤー

先日ふらりと近所の骨董品屋に入ったんですわ。入り口近くには、家具や調度品、仏壇まで。少しほこりっぽい棚が並ぶ中には、壷や皿、置物が並べられ、再び生活という表舞台で光を浴びるときを願い、目利きの来店を待ちわびているようでした。

店の中央にいくつかの本棚が並んでまして、ところが中にはレコード、古めかしいジャケットがきちきちにつめこまれて立っている。ジャンルもばらばら。なにげなく立ち寄った私でしたが、この瞬間に天からの啓示か、野生の血がさわぎだし、友人に無理を言って、レコードジャングルにならぶタイトルをかたっぱしから読み上げてもろたんです。これがすごい、なななんでこんなレコードあるねや。あ、これは昔ほしくて買いそびれたやつやないかいな。え、こんな値段でええんかいな、てな物で、興味のない人にとっては、きっとほこりをかぶった紙の行列にしか見えないこれらの肩身狭げに立ち並ぶ物たちが、金色の板のように見え出してきたからおどろきですわ。

さっそく幾枚か買い、家で眠っていたプレイヤーに再び目覚めのときを告げ、回転していただきましてん。針もかろうじて良好、パチパチという懐かしい音とともに、たえなる調べが流れ出しましてね、私は次から次へとレコードを掛けました。2時間あまりしてふと気づきましたんです。CDを2時間聞くよりも、からだが楽なんです。なんでやろ。私達は、いい音とは雑音がないことといつのまにか思いこんで、CDに慣れてきた。その音は、ノイズを始め、不要な成分をデジタル処理で最大限排除したもの。ところが、レコードはアナログ録音なので、不要な成分も記録されるんですわ。以前から、このCDのクリアーさのなかに、違和感を覚えるという人は多く、レコードの音質に近いCDが、最近ではあえて作られているぐらいなんです。私達は、いつのまにかデジタルに慣れて、アナログの持つ、無駄とされた音の部分の良さを忘れていたのではないやろか。

このごろは濃のあるコーヒーを立てて飲むように、レコードに針を乗せ、芳醇の時を味わう時間を作るようにしてますねん。今日もプレイヤー君に起きていただいて聞こかいな。もちろん曲は、あのイナバウアーでおなじみの「ネッスンドルマ(誰も寝てはいけない)」。
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by maka1968 | 2007-01-07 23:30 | お気楽エッセー
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