すばらしい僧侶

佐賀県で僧侶をしていた大事な友人がいました。
子どものときからよく遊び、漫画をお互いに描いて、
漫画家になりたいという夢を話したものでした。

中学生になって、私の視力が低下し、生きることにも
やけになり、絵が描けなくなったりと、落ち込む日々を
過ごしていたとき、彼は、「絵がだめならバンドをしよう」と
言ってくれました。

その言葉で、音楽やバンドでコントを演じるようになり、
自分の生きがいを改めて見つけることができました。
「死にたい、死にたい」と思っていた当時の私を
救ってくれたわけです。

彼は、ピアノ、バイオリン、絵、どれも才能にあふれていました。
芸術の道に進むと思っていましたが、成人してまもなく
親戚の寺をつぐことになり、佐賀県へ行きました。

彼が僧侶になった祝いが、京都でご家族と彼のお師匠さんに
あたる方と友人とで開かれました。
一人ひとり祝いの言葉をかける段になり、私は
なまいきにも「僧侶として生まれ変わられたことを祝い、
「ラ」の音を皆で合唱しましょう」と言って、
ロングトーンで「ラー」と発生しました。

「ラ」は、赤ちゃんが泣く標準的な声の高さと言われています。
また、オーケストラの音を調弦するのもこの音が基準です。

あれから20年近く過ぎ、去年私の落語会に来てくれ、
とても心に残る法話をしてくれました。

そんな僧侶である友人が急死しました。
まだ信じられません。
芸術と檀家さんの子どもたちを大切にした
楽しい和尚さんだったようです。

私は42才で旅立った彼が教えてくれた様々なことを
自分の中にとりこんで、生きられるだけ生きていかなければ
なりません。
「一期一会、そして人の縁を大切に」と法話で述べていた彼の
思いを大切にしていきたいと思っています。
ありがとう、敏麻呂和尚。
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by maka1968 | 2011-03-25 23:58 | 福点の今日このごろ
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