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あさだあさだーよ

私がこよなく愛するホット空間のひとつに「あさだ」という和菓子屋さんをご紹介したことがありますが、先日このあさだに贈り物を買いにでかけましてん。店内に入りますと、奥から「お客様、お茶がはいりました」と声がかかり、大きな木のテーブルにお茶と試食のお菓子が置かれる。このテーブルがまたたまらない。メタセコイヤか、いやいや杉か、大木をそのままスライスして足をつけたらしいどっしりとした温かみのあるテーブルなんですわ。さらに椅子も小さな切り株でできてますねん。そして季節の和菓子が置かれる。たいてい試食なるものは「食べてや、うまいやろ、食べたら買えよ」とどこからともなく聞こえてくるもんですが、あさだはそんなおしつけがましさがないところがありがたい。ただやすらぐ時間が流れます。

学生のころ、何を買うわけでもなく風流もなんにもない、学生ならではのよしのやでドッカーンと食うたろかみたいな感覚で、試食をねらって利用させてもろたこともあったな。そんな学生にも文句言わずに「お茶はいりましたよ」のもてなし、いやなかなか、この不景気にでけんこっちゃでと感心してしまうわけです。

数ヶ月前あさだに行ったとき、やたらと試食をするおっさんに出会ったことがありますねん。このおっさんなかなか手ごわく、孫に「おい次なに食いたい」というて新しい商品まで出させてましてな、こらいつか、なんぼ温和なあさだとはいうてもきれるでと思てたら「はいわかりました」と暖かく笑顔で対応。この試食おじさんが何を買ったかは見届けることはできませんでしたが、一箱分くらいの和菓子は無料で腹の中に入れてお持ち帰りになったんではないやろか。

さて話を戻して、贈答菓子を買って立ち去ろうとしましたら、「マカさんですね」と声をかけられまして、だれやいなと思っていましたら「浅田です」。なななんと、あさだの若社長さん(だと思われます)だったのです。お話を聞くと、お知り合いの方が私のファンであるということと、若社長さんも私のブログを見ておられて、私が近所にいると知り、一度声をかけたいと思っていてくださったのことでした。いやあ、うれしい話で後から後から和菓子のような、柔らかい喜びがあふれてきたのでした。学生時代の数々の試食、ひらにお許しのほどを。
by maka1968 | 2008-02-03 11:52 | お気楽エッセー
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